このエントリーでは工務店・住宅会社が、じゃあマーケティングしていこう!となった場合のステップについてご紹介したいと思います。
また、プレゼンの方法はケースバイケースであったとしても、MD社が提供するサービスの組み立てはすべてこれらを踏襲したものになっています。プロとして様々な案件に関わりながら、そして学びながら、やっぱりこれが大事だなと感じて体系化してきている内容となります。
4つのステップでマーケティングに軸をつくる
ご紹介するマーケティングの組み立てステップは4つです。やること自体は非常にシンプルで、これらを着実にやっていくことがとても重要であると考えています。会社が大きいとか小さいなどは関係なく、このステップで自分たちのマーケティング戦略を捉えることができれば、成功を着実に積み上げていくことが可能になります。
また、社内で複数のチームや人が関わってマーケティング活動をしていく、あるいは外部のブレーンを使って活動していくという場合も、指示であったり、評価の基準となりよりよい活動に結びつくと考えています。
自社の情報整理〜ステップ1
1つ目はまずは自社の情報整理です。自分たちの会社をフレームワークに従ってしっかり分析していく。ちょっとフレームワークについてはまた別途エントリーをあげていきたいと思いますが、自社のもっている情報を整理し、どういったマーケティングの資産があるのか?ということを整理しておくことで、後々のプロセスにおける発想につながっていくと考えます。
いきなりすごくフツーのことを言ってしまって恐縮ではあるのですが、自分たちを知らずにこれからの市場環境を生き抜いていくのはまずありえないわけでして、これらをしっかり分析していくことは必須です。
1. フレームワーク(主に4P【マーケティングミックス】)に従って枠組みはシンプルに。
2. 業界のあたりまえ、だと感じていることでもちゃんと分析のテーブルに乗せる。
この2つです。
まずこのマーケティングミックス=4Pはマーケティングを学べば避けられないといいますか、必ず出てくるフレームワークのひとつです。やはり基本として常に出てくるフレームワークがゆえに、本当によくできていて、これにしっかり従って、情報をはめていくだけで余計なことを考えずに情報を整理することができます。
そして、もうひとつがフレームワークに向き合ったときに「なにかすごいことをここに書かなきゃ」っていうことを考えすぎると、手が止まってしまいます。自社の情報整理はたんたんと、当たり前のようなことでもとにかく出す、このフレームにしたがって、自社のもっている経営資源を整理するだけでかまいません。
戦略の「答え」はもっとあとから出てきます。
市場環境の分析〜ステップ2
2つ目は市場環境の分析です。民力データや着工棟数の推移、どんな企業が競合になっているのか?また傾向として高額帯が強いのか?ローコスト傾向なのか等の情報を取得していきます。この際に自分たちの事業商圏、エリアを設定する必要が出てきます。
・自分たちの得意なエリア
・守ってきたエリア
・守っていきたいエリア
・進出したいエリア
・事業規模としてカバーしきれるエリア
というものがあると思います。 このエリア選定に関しては、自社の経営方針にしたがって拡大するのか、堅調維持を狙うのか、また新規参入など「意思決定」ありきで進める場合もあれば、逆に民力や棟数推移を調べたうえで、どこに商圏を置くのが勝率があがるのか。
ですので、いきなりここ!と決め打ちでできるパターンもあれば、詳細情報を深掘りする前に、マクロデータで抑えて意思決定に役立てる、というパターンもあると思います。
いずれにしろ、最終的には住宅マーケットがどのように推移してるのかという部分と、競合や販売動向がどのように推移しているのか、ということをマクロとミクロでしっかり見ると言うことが重要になってきます。
ターゲット分析〜ステップ3
3つ目のステップはターゲット分析になります。ターゲット選定という言い方でもいいかもしれません。もちろん市場環境分析とも連動してきますが、自分たちの事業や商品をどのような人たちに売ることがベストなのか?という問いになります。方法によってはペルソナのように、かなり具体的な人物像まで作り上げるケースもあります。
どこまで深掘りするのか、というところは商品の特性がニッチになればなるほど、ターゲットは具体的であったほうがいい、というのが経験則上の私の認識です。
ただ、マーケティング活動におけるコアとして「顧客視点で考える」ということありますので、ターゲットが明確であればあるほど、顧客視点で考えやすいというのは間違いなく言えることです。工務店・住宅会社のターゲットの多くは例えば30代の一次取得者、となりますが30代男性と女性(パパとママ)でもやはりイメージは変わってきますし、共働きなのか?主婦なのか?でもイメージが変わってきます。顧客イメージが変わるということは、最終的な訴求が変わるということなので、もっともっと具体的な人物が描ける方が、この後のプロセスもより具体的になる、ということが言えます。
・属性情報(年齢・年収等数字で示せるもの)
・ライフスタイル情報(どんな好み?)
・価値観情報(なにを大切にしている?)
これらを3つの要素を捉えていければ良いかと思います。
さらに補足しておくと、実務の活動に移った時に、複数のスタッフや外注先が関わり出した時に「30代前半のママで」くらいの情報ですと、「あーはいはい」と口では言っていても、それぞれ思い浮かべている人物像に差が生まれ、結果的にアウトプットされるものの差につながるというリスクを抱えることになります。
差別化要因の決定〜ステップ4
4つ目のステップは差別化要因の決定なります。これまでやってきた自社情報の整理・市場環境分析・ターゲット分析を振り返りながら改めて他社との違いって何?いうところをしっかり明確にしていくフェーズになります。
市場が縮小し、情報が増えていく世の中。そんな中で、モバイルを通して比較検討が行われているため、他とどう違うのか?という顧客の欲しい情報をしっかりと伝えていかなければいけません。それがしっかりできているということが、つまり選ばれる=売れる、という事になります。
この差別化要因、なかなか見つからない・・・ということになる場合は様々な視点で、今まで積み上げてきた情報を振り返ってみる必要があります。そのための情報整理ですので、ステップ3までの情報を見つめ直して差別化要因を探ってみてください。
・自社の情報を改めて見つめて、ターゲットのニーズと引き合わせる。
・市場環境や競合情報を見つめて、自社しか持っていないものを見つける。
・自社の持っている情報を「組み合わせて」自社にしかないものに仕上げる。
このようなやり方を模索していくことになります。
そして、最終的には「なければつくる!」です。差別化要因の創出をします。上記リストの3番目と近い発想になりますが、ポジションをとっていくうえで足りないもの、あったらターゲットに喜ばれるものが発見できれば、それを形にすることもマーケティング活動のひとつの目標となりますので、そのうえで差別化要因を決定する、ということが可能です。
この差別化要因がしっかりと決まれば、活動のどこに注力するべきなのかも自ずと見えてくるのではないでしょうか。
まとめ
シンプルだ〜と言いながら書き始めるとそれなりの情報量になりました。最後のステップでは差別化要因を決定していくことで、自分たちがどのように勝っていくのか?という答えに近くことができると考えています。
・どの市場で
・どんなターゲットに
・どんなメリット・強みを伝えていけばいいのか
・そのためにどんな努力をすべきなのか
ということがまとまっていると、このマーケティングの軸に沿って、商品開発・強化、サービス強化、プロモーション強化のアプローチが決めやすくなるということになります。
活動に対する指針、克服すべき課題が見つかれば、社内の経営資源の配分はもちろん、どんな外注先を見つけてきたらいいのか?どのようなオーダーをすればいいのか?もわかりやすくなってくるはずです。
シンプルではありますが、簡単ではありません・・・経験則からのアドバイスとしてはいきなり答えを求めず、自分たちが当たり前と思っているようなこともちゃんと情報として取り扱い、取得できる客観的情報をしっかり集める。ということかと思います。