合同会社マーケティングデパートメント

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インハウスマーケティング人材の5つのリスキリングについて

工務店・住宅会社のマーケティング
2023.2.14
このブログを書いた人

ナガタ セイメイ

最近は「リスキリング」という言葉をよく耳にするようになりました。リスキリングとは、「スキルを付け直すこと、学び直すこと」という意味で、社会やビジネス環境の変化に適応するために重要な考え方としてフォーカスされています。

そして、中小企業や住宅系の会社においても、このリスキリングが必要というケースが増えてきています。

具体的には、接客機会が昔に比べて減ってきたことにより、営業よりも機会創出のマーケティングや広告・広報の強化が必要になってきている。だから営業を配置転換して広告や広報を担当させたい。であったり、もともと広告・広報をやってきた方であっても、WEB上での発信力を高めて最終的な集客力を高めたい。などのケースがあります。

マーケティングミックス(4P)におけるプロモーション領域をインハウス化する動きが高まっているという背景が伺えます。

そんな環境において、「まずは手始めに」という観点で、プロモーションのインハウス化におけるリスキリングをしていくうえで必要なちからというものをまとめてみました。

文章力・取材力

最も大切なスキルでもあり、最もポータブルなスキルでもあると考えています。
ブログを書いても、チラシを作っても、SNSをやっても、文章力があるというのはWEB・デジタルマーケティングはもとい、現代のマーケティングにおいては非常に重要なポイントです。

また、その文章の元となるネタを取材する、例えば営業スタッフに商品のウリや見所を教えてもらったり、工務や制作スタッフに生産上のこだわりポイントを聞いたり、経営陣に会社の方針や価値観を伺っていくことが、動画・ブログなどどんな媒体にも転換できる素材となっていくからです。

文章力・取材力を鍛えるトレーニング

  • 現地・現場に足を運ぶ癖をつける。
  • 実際に人に話を聞いて、メモと録音をする。
  • 自分のメモと録音を元に、目次をつくる。
  • 目次にそって文章を書いてみる。
  • 取材元の方に、実際に文章を読んでもらいフィードバックしてもらう。

文章力はやはり「書く」ことでしかスキルはあがりませんが、それと同じくらい人に読んでもらってフィードバックをもらうことが大切です。特に、取材をして「目で見て、耳で聞いたことを文章にする」ことを行い、それをその取材元にバックをもらうことで、人が伝えたかったことが伝えられているか?という視点でスキルを伸ばしていくことが可能です。

カメラスキル

ブログ・SNS・コンテンツにおいての画像の重要性というのはいわずもがなではありますが、カメラマンやレンタルフォトではなく、やはり自社の現場・商品をリアルタイムで高品質な画像で発信ができるというのはコスト面でもスピード面でもメリットが大きいです。

画像の情報量はすごい

画像は文字の7倍の情報量があると言われています。WEBコンテンツをビジュアル的にも華やかにしてくれますし、見栄え・出来栄えどちらをとってもしっかりとした画像がある、というは非常に重要といえます。

できれば一眼レフでの撮影技術を身につけて、といいたいところでもありますが、現在はスマホでもかなり高精細な画像を撮影することができます。

そのうえでいうと、かなりの広角でモデルハウスを撮影する、人物モデルで広告的なビジュアルをつくる、といった目的がなければ、スマホでも十二分に良い写真を撮ることは可能です。

良い写真の条件は光量については、できるだけ明るい場所の方が良い写真が撮れる、というのは絶対的な必要な基礎知識。それに加えて一眼レフでもスマホでも「露出」といって本体やレンズ側で明るさをあげる手法もあります。

そしてアングルです。モデルハウスの写真をお客様に撮って送っていただくことがありますが、まず使い物にならないのは「垂直が合ってない」写真です。カメラを構えるポジションが悪いと、床から天井に向けて壁の縦のラインが狭くなっているような写真になってしまいます。
そういった「アングル」に対する基本的な知識を学べば、スマホでもかなり良い写真が撮れます。

私もTOYOキッチンの2021年のグランプリ写真を撮影したことがあるレベルにはカメラスキルがありますが、旅行に行って、写真を頼まれて撮影するとだいたい「上手!!」と言ってもらえます。笑
それはやはりアングルで、画面に収まる領域だったり、上下左右のバランスの整え方が一定のレベルでできているから、ということが言えます。

やはり動画も重要

もちろん今はSNSのショート動画やYouTubeなどの動画プラットフォームも主流になってきているので、一眼レフやスマホでの動画撮影スキルも重要ですね。動画のほうが、動きに対応ができるので、プラットフォームに載せる程度の動画であれば、実は写真より撮影しやすいかもしれない(ごまかしがききやすい)です。

動画の場合はさらに編集スキルが必要になってきますが、ランサーズなどを使って、動画の撮影のみ行い編集はアウトソーシングする、という方法もおすすめです。それは、意外と編集作業に時間を撮られて他のことができなくなってしまう、という点と、撮影からすべてをアウトソーシングするとスケジューリングやコスト面で無駄が多くなるからです。

YouTubeは写真同様、ある程度アングルや被写体との距離を保っての撮影に慣れれば、自分たちで企画をして撮影まで行い、テロップをいれるなどの編集を外部に委託するという流れがおすすめです。
少し住宅関連でも流行ってきているTikTokなどは自分たちでの撮って出しがしやすいですね。

SNSリテラシー

今多くの企業が注目し、そして実際の活動への影響が大きくなっているSNS。一口にSNSといっても、多くの種類があり、その仕組みやユーザーの層にも差があります。

意外と奥が深い各種SNS・・・やり方や運用ノウハウを学び、是非ともマーケティングに活かしておきたいところですが、一番やってはいけないことは「アカウントはつくったけどちゃんと更新できない」という状況をつくることです。

アカウントだけはいろんなSNSでつくったけど、運用の手が回らない、とならないようにあらかじめそのSNSの特性と利用者層を把握して、どのSNSから攻めていくかをきちんと決めてスタートさせることが大切です。

どのSNSから取り組む?

結論から言うと、現在はInstagramとYouTubeがおすすめです。それはターゲット層のマッチング度合いとコンテンツの汎用性の高さがあるからです。

Instagramは施工事例を活かして定期的な投稿がしやすく、撮った写真は自社のWEBコンテンツと親和性が高くなります。

YouTubeはつくった動画コンテンツをWEBに貼り付けることも、展示場やモデルハウスで流すことも、LINEやチラシQRなどと連動させることもできる。

まずはこのふたつのどちらかから本格的に取り組むことがおすすめです。

CMS(またはWordPress)リテラシー

情報発信のひとつの方法としてブログコンテンツ、テキストコンテンツがあります。最も定番と言えるもののひとつにWordPressがありますが、こちらも「ブロックエディタ」という進化を遂げたことにより、できることが増えたと同時に、操作の複雑性が上がりました。

また、弊社でも提供していますが、ノーコードでWEBページが作成できるツールやシステムも増えてきたことで、制作を外注しなくても自社のサイトが更新できる、新しいWEBページを制作することができる環境になってきています。

進化したWordPress

上記にもありますが、WordPressがブロックエディタに進化しました。以前は、テキストをうち、画像を配置するには簡単なHTMLを記述するクラシックエディタ形式で、それをつかってテキストの装飾をしたり、画像を貼っていくというやり方が、WordPressでブログを書く方法でした。

2019年ごろにWordPressのバージョンアップとともに登場しましたが、クラシックエディタに比べて、レイアウトやデザイン性の高いページ作成、またSEOにも対応する見出しの設定なども容易にできるように。そしてスマートフォンへのレスポンシブ対応など、現代のWEBサイトによる情報発信環境に適応するかたちとなりました。

しかし、クラシックエディタに慣れている方や、CMSやWEB制作そのものに対して知識のない方には「カラム」や「セクション」をはじめとしたブロックエディタの基礎となる概念が少し理解しずらく、制作そのものに難易度を感じるかもしれません。

そういった意味で、ブロックエディタに適応するリスキリングが必要なケースがあります。

ノーコード系ツールの進化

WordPressのブロックエディタも、全体構築(基本色やデザインのCSS設定)を行えば実質的にはノーコードでページを量産できるツールですが、それ以外にもノーコードでWEBサイト・WEBページを構築するシステムが多くリリースされています。

マーケティングデパートメントでも、WEBKITというWordPressをベースにした新たなノーコードプラグインをリリース予定ですが、担当者が気軽に制作・更新ができる環境はすでに整っていると言えます。

まずはこのツールで簡単な制作や更新ができるようになる、そうすると企業の自社コンテンツの発信力、マーケティング活動における選択肢が一気に増えることになります。

その次のステップとして、WEBページの構成力や広告やSNSと連動した全体企画のスキルが必要になってきますが、まず「作れるようになる」と自ずとそのステップに意識が向いてくるはずです。

Googleアナリティクス(GA4)スキル

多くの担当者がご存知かと思いますが、2023年7月1日に従来使ってきた「ユニバーサルアナリティクス」がデータ取得を停止します。

それに変わってGoogleアナリティクス4(GA4)がすでにリリースされており、そちらへの移行が急務となっています。

また、私もそうでしたが、従来のアナリティクスと指標が変わっていたり、そもそもの操作方法が変わっているなどで、「率直に使いづらい」と感じられている方の声を多く耳にします。結論から言うと慣れの問題ではあるのですが・・・

GA4はアプリの計測やECサイトの分析などをより強化したような印象が強く、様々な角度そしてWEBサイト内で起こっている出来事「イベント」の計測に力をいれているように感じます。よって、設定がしっかりできるようになっていけば、より細かなケーススタディで定点観測がしやすくなったと言えます。

イベントの設定が重要

率直にいいますと、デフォルトの状態の管理画面から得られる情報は減った、というか確認しづらくなったように感じますし、実際に指標が変わっているのでこれまでの感覚で計測をすることができません。やはり「イベント」という概念が強く出ている管理画面なのでここを使いこなさないとなかなか詳細な情報を掴むことが難しいとえいます。

このイベントの設定が少々難しいところもありますが、また必須項目は記事を書いていきたいと思います。

コンバージョンの設定、ページのスクロール率の設定、このあたりを設定できるようにすれば、それぞれのページの貢献度を仮説を立てて計測しやすくなります。

探索レポートのすすめ

新しい機能に「探索レポート」があります。近しいことは以前のユニバーサルアナリティクスでもできましたが、こちらの探索レポートは条件の保存がしやすく、自社における重要な指標を定点で観測するのに役立ちます。

同じ指標で流入媒体ごとに同じ指標で計測するシートをコピーしたり、以前のアナリティクス同様に経路探索なども可能です。ただこちらも操作方法が全く変わってしまったので、マスターするには少々時間がかかるかもしれません。

まとめ

まずはリスキリングの第一歩として5つの項目をあげてみました。広告・広報・マーケティングは実質ひとりで担当している!という企業様も少なくありません。そのためひとりでこの5つを網羅して、さらに次のステップにとなると少し大変かもしれませんが、自社の環境にあわせてひとつひとつクリアする、チームでクリアするという観点を持って、会社組織としてのリスキリングができることが理想です。

弊社はノウハウ提供を前提としたディレクションサービスを行っています

見出しのとおりなのですが、現在複数の企業様向けに月例でマーケティングのPDCAの支援(アナリティクス解析、ウェブ制作、広告運用、戦略立案を必要に応じて)を行っています。そのサービスは1年から2年かけて弊社や私のノウハウを提供しながら、最終的には「自走」を目指したリスキリングを提供できればと進めています。

ぜひご興味があれば問い合わせフォームより連絡を。