合同会社マーケティングデパートメント

大阪市西区南堀江1-11-9 SONO四ツ橋ビル 7F

【2025年-26年】住宅マーケティングで押さえておきたい5つのチェックポイント【住宅会社のための】

工務店・住宅会社のマーケティング
2025.7.3
このブログを書いた人

ナガタ セイメイ

4号特例の開始、土地の高止まり、集客環境の低迷・・・と暗いニュースをあげれば切りがありませんが、そんな環境だからこそ、改めて自社のマーケティング環境を見直し、ウィークポイントを改善し、自社の強みを顧客届けていく必要があります。

この記事では、今から2026年に向けてチェックしておきたい5つのポイントを顧客行動に沿って検証しながらお伝えしていきたいと思います。

1、認知がどれだけ取れているか?シビアに見る必要

検索対策が格差開いていく

今、住宅業界でも活用の検証が進められているChatGPT。おそらくこれを読んでいる方もChatGPTをいかに仕事に活かしていくか?をさまざまな方法で検証していることと推測します。

※ちなみにこの記事はChatGPT成分ゼロです。

しかし、視点を変えてみると、一般のユーザーもかなりChatGPTを「相棒」として活用しており、ググるよりジーピーちゃんに聞く、という行動がかなり多くなっています。日常会話の延長で、「おすすめの住宅会社ある?」という使い方もたくさん行われています。

ChatGPTは業務効率を上げるだけに注視せず「第一検索アクション」のひとつとして捉えて対策をしていく必要があります。その対策については、後日記事にしたいと思います。

ターゲット層が滞留しない、認知であぐらをかくのは危険。

また認知フェーズにおいて最近感じることは、住宅会社が自社の認知に対して楽観的であるということです。住宅市場の難しいところはターゲットが滞留しない、世代が常に入れ替わり続けていくところにあります。

その市場性を考えれば、実はオフライン広告を含めた単純なブランド認知は常にし続ける必要があるのです。「地元ではそこそこ名前が知れていること」と「ターゲットが知っていること」は全く別物です。そのあたりをシビアに見て、プロモーション戦略を練っていく必要があります。

2、他社との違い、期待感が非対面でどれだけ訴求できるか?

非対面で7割型の決着がついていると思おう。

コロナ以前から、非対面でのマーケティングについては多くの研究データが発表されてきました。その中でも「顧客の購買行動の多くのフェーズは非対面(WEB)を介してなされていく」ということが謳われてきましたが、それがコロナによりさらに加速した、と言えます。

実際に、マイホーム検討層はInstagramやYouTubeで初期情報を取得し、資料請求やコーポレートサイトで絞り込みをし、限られた会社に見学に行くという流れが主流になっています。

その「限られた会社」に選ばれるためには非対面での訴求がどこまでやりきれているかというのは重要なポイントです。

非対面、だけど「体験」を求めるユーザー

その延長で、限られた訪問時間をどの会社に使うか?というのは、その時間で得られる体験への期待値になります。ディズニーランドやUSJが、テレビ放送されても、YouTubeに情報があっても、入場者数が増え続けるのは「一定のネタバレ」を経て、「体験への期待」が構築されているから。

WEBやSNSで十分に訴求したあと、訪問する理由はなにか?を丁寧に作る必要があります。

3、発信と初回接客がひと繋ぎになっているか?

顧客の期待に応えられないと、一発アウト。顧客は「確認」をしに来ているから。

前段の流れから、非対面で十分な訴求をし、顧客の期待を醸成した先に、初回接客が待ち受けています。このとき、顧客の心理としては「期待に応える体験があるか」が第一、さらに「顧客の期待を超える体験」ができればさらに商談はいい方向に進むと考えられます。

しかし、住宅マーケティングの難点である、集客と接客の乖離がネックになることがあります。

顧客がWEBサイトで得られて期待した情報の、その先を営業がサポートできるのか?WEBサイトに載っていない情報を提供できるのか?

ここが重要なポイントになり、営業は気分良く話せたつもりでも、顧客の期待に応えられたということにはならないかもしれません。

4、本当の意味で顧客の本音に寄り添えているか?

そのアンケートを信用する?

購入者アンケートをとると「営業マンの人柄」が決定要因になっているという会社は多いのではないでしょうか?しかしこれには落とし穴があります。

それは、ただ相性で決まる運ゲームになっていること。これは実質的に営業にスキルがあるとは言えません。一生に一度のお買い物、判断基準も難しいものを、ご家族は最後に「相性」で決める。家族にとってはその決断は間違いではありませんが、企業としては完全属人性の運任せのマーケティングになっていると捉えてもいいかもしれません。

失敗がチャンスになることもある。本音に寄り添える仕組みと思考法が必要。

そしてその逆、で失注をすることや商談が前に進まないケース。この多くの理由は「相性が悪い」からとも言えます。しかし、この相性はすべてが人柄の問題ではなく、ご家族にとっては聞きたいことにちゃんと答えてくれる、自分たちに寄り添ってくれる、ということが重要な評価なのです。

つまり、顧客はなんらかの期待をして、来場・来店している。営業はその期待にギャップなく応えているのか?ということが重要な論点なのです。

このギャップを成功しても失敗しても、きちんとキャッチアップして、次のアクションに繋げられるか?たとえ初回接客で顧客と営業にギャップが生まれていたとしても、きちんとそれをキャッチしてフォローできれば家族の信用を得ることは十分にできると言えます。

初回接客のあと、組織として顧客アンケートを取得し、ギャップがあれば対応するという仕組みづくりと教育が必要になっています。

5、OB顧客・家族の声を最大限活用しきれているか?

満足度調査で満足しない。

引き渡し後の満足度アンケートを取得している会社は多いと思います。そこで得られた情報を「自社の強み」として転換し、マーケティングに活かしていく。

というのはセオリーではありますが、要注意な部分があります。それは、ヒアリングしているタイミングが成約後であり、検討中のフェーズとは思考や持っている情報に大きな格差があるということです。

つまり、初回接客時に得られるべき満足度と、引き渡し後の満足度というのは中身に違いがあるため、引き渡し後の満足度を初回接客時にぶつけても響かないケースもあるということです。また、もうひとつは買ってくれなかった人の声に耳を傾けられないという事実です。

OB顧客の「協力」を得るために。

ではどうしたらいいか?引き渡し直後の最も満足度が高い状態というのは、言い換えれば最も企業の味方になってくれるタイミング。

そこでは家づくりの満足にとどまらず、どのような家づくりのステップを踏んできたのか?どんなことで悩んだか?など。ここに至るまでのプロセスをヒアリングすることで、自分たちの市場におけるポジションを確認したり、家づくりのボトルネックになる部分の解消にチャレンジするヒントを得ることができるはずです。

大切なことは、「フェーズ」を俯瞰で見ること

大きなお話として5つのチェックポイントをあげてみました。共通していえることは、顧客の行動にはフェーズがあり、そのフェーズに適した対応をすること、期待値を高めていくことがマーケティングには必要であり、それは集客・接客・契約後・・・と組織全体の役割がひとつながりになる必要があると考えています。

そのためには、顧客が家を欲しいと思ってから、引き渡しを受けて満足に住むまでを全体で俯瞰し、「流れ」を設計することが大切です。ぜひ、自社のカスタマージャーニーを一度見直してみてください。