合同会社マーケティングデパートメント

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住宅会社の顧客目線。ペルソナと顧客インサイトとマーケティング思考を広く解説。

WEBマーケティング
2024.1.24
このブログを書いた人

ナガタ セイメイ

マーケティングデパートメントでは「インサイトメーカー」というワークショップを提供しています。それは顧客をペルソナとして詳細に設定し、その顧客インサイトを分析し、マーケティング活動における企画に活かしていくためのワークフローです。

ペルソナ設定というのは、WEBマーケティングにおいても定番でもありながら、つくったもののうまくつかえないものでもあったり、役に立つのか立たないのかがふわっとしたものでもあるかもしれません。

この記事ではペルソナ設計をする意味と、それをどのように活かすのか。「顧客インサイト」に転換することの意味をお伝えしたいと思います。

そもそもペルソナとは?

ペルソナとは、詳細に設定された顧客プロフィール、というのがぱっとイメージしやすいかもしれません。年齢、性別、職業、居住地などの属性情報から性格や行動傾向。場合によっては1日の行動パターンやこれまでの人生を設定する場合もあります。

ペルソナとターゲットの違い

あくまでマーケティング領域の定義としてですが、ペルソナとターゲットは別物として扱われているというか、ペルソナは「超詳細に設定したターゲット」という解釈になります。

ペルソナは「個」

前段でも上げた通り、「名前」まで設定して架空でありながらもその個人をリアルにイメージできるところまで設定したものがペルソナ。

ターゲットは「群」

個人というより一定の属性を持った群衆として設定されるのがターゲット。年収ターゲット、年齢ターゲット、属性ターゲットなど。

ペルソナに落とし込むメリット

ペルソナ(個人の詳細プロフィールまで)落とし込むメリットは、以下の通りです。

メリット1/ターゲットだと抽象的すぎて、イメージの共有がしにくいが、ペルソナに落とし込むとイメージが近づいていく。

仮にプロジェクトチームに3人メンバーがいて、「30代の女性」とターゲットを設定します。そうするとAさんは自分の独身の姉をイメージする、Bさんは子どもがいてパートに出ている自分の奥さんをイメージする、Cさんは同僚のDさんを思い浮かべる。というように、同じ土俵で議論をしているようで、頭の中のイメージがバラバラで、意見を出し合ってもアイデアの源泉が異なってしまうという現象がおきます。

しかし、ペルソナとして、現在36歳の吉田たかこさん。4年前に結婚し、3歳の息子と1歳の娘がいる。アパレル企業の正社員として百貨店の販売をしているが、現在は育休中。あと数ヶ月で子どもを保育園に預けて職場復帰予定。

と細分化すると、かなりメンバーで共有できるイメージが具体的になり、戦略立案の際にも意思決定のズレがかなり小さくなるはずです。

メリット2/意思決定が属人的になりにくい。

ペルソナをつかったマーケティングの意思決定は「ペルソナ」が行います。これはペルソナを活用するための基本中の基本です。部長の感覚や、若いからという理由だけで若手社員の意見を採用する、ということは否定はしませんが、ペルソナを使う場合は全く意味をなしません。

ペルソナをつかったマーケティングではその商品やサービス、プロモーションに対して「ペルソナがどう思うか?」「ペルソナの購買意欲を刺激できるか?」という視点で議論をします。そうすることで、メンバーの属人的な判断ではなく、自社の戦略を客観的・俯瞰的に見ることができる、ということがメリットになります。

ペルソナをさらに有効活用するための「顧客インサイト」

顧客インサイトとは、顧客自身も自覚していない、購買意思決定に関わる潜在的で根本的な源泉になる、感情や価値観のことを指します。

ペルソナってつくってもうまく活用できない、意味あるの?という声のアンサーとしては、ペルソナをつくったところから、この顧客インサイトを分析するところまで落とし込めていないケースがほとんどです。

ペルソナは、詳細で具体的といいながらもあくまで表面的に現れる情報が中心となっていて、その価値観や感情のあり方までを深掘りするところまで辿り着いていないケースが多々あります。

ペルソナとして個人を具体的にしたら、そこからさらにその人の顧客インサイトを掘り下げることによって、マーケティングの戦略や戦術・企画、さらにはクリエイティブへの影響にも厚みが増してきます。

顧客インサイトをさぐるためのヒント

顧客インサイトは価値観や感情的な側面という説明をしました。そして本人も自覚していない領域もあります。そんな顧客インサイトを探るためのヒントは「喜怒哀楽」です。

通常、人が買い物をする、サービスの提供を受ける場合はなんらかの問題解決をしようとしているという定説もあります。また逆にその商品を選ばない場合は、その人になにかしらネガティブな感情を抱かせている可能性があります。

ペルソナが、購買意思決定をするときは、どんな喜びや楽しみを得ようとしているのか。

ペルソナが、購買拒否をするときは、どんな怒りや哀しみを感じたからなのか。

そういった視点で分析を進めると深掘りを進めることができるはずです。

顧客インサイトには2種類ある

顧客インサイトは2種類あり、それらを分けて考えるとさらに思考が広がります。

1、ライフスタイルインサイト

これは、人生全般における価値観や感情の部分。ここが最も深い顧客理解部分になります。その人がありとあらゆる生活の中で持っている欲求や不安・不満。そういったものがここに当てはまります。

2、カテゴリーインサイト

これはダイレクトにその商品やサービスのジャンルに対して影響する顧客インサイトです。住宅、車、服、食事・・・それぞれのジャンルに対して顧客が持つ欲求や不安・不満がここに当てはまります。

ライフスタイルインサイトとカテゴリーインサイトは階層になっている。

このふたつは階層になっており、具体的なイメージとしては

大勢の友達と遊ぶことが大好きだ!というライフスタイルインサイトは、

友達を呼んで楽しめるような広い家がいいという住宅カテゴリーインサイトや、

友達をたくさん乗せて出かけられるようなものがいいという自動車カテゴリーインサイトに繋がっていく。

というイメージです。カテゴリーインサイトには割と辿り着きそうですが、さらにその根本的な価値観まで落とし込んでみると、訴求の仕方やサービスの提供の仕方が大きく変わってくるはずです。

顧客インサイトの分析から、マーケティング思考がはじまる。

この記事では、ペルソナと顧客インサイトについて網羅的にお伝えする記事になっていますが、これらの知識・スキルを深めることで「マーケティング思考=顧客起点の思考」の質が高まり、マーケティング活動の質を一段も二段も高めてくれるものに成長していきます。

マーケティングデパートメントでも、さまざまなワークショップを行っていますが、このワークショップが一番盛り上がり、一番ダイレクトにマーケティング活動に影響を与えているものになっています。

ぜひ、ペルソナと顧客インサイト分析を進めて、質の高いマーケティング活動を実現してください。