4月6日に、政府から緊急事態宣言が発表され、5月3日にまた延長となりました。延長期限は5月末。これからは感染者数やその他の数値を見ながらの判断となるようです。
MD社のある大阪は大阪府のリーダーシップにより、比較的周辺での論調は明るくなってきているように思います。コロナが落ち着きの光を見せはじめているなかで、これからどうする?という視点でのお仕事の依頼が増えてきました。
アフターコロナで何が変わる?
経済の面・働き方の面でいうと「テレビ会議」が明らかに増えました。zoomなどのツールもかなり一般化し、スマホとPCで遠隔会議をするケースもありました。これまでは工務店や住宅会社でエリアを絞って活動している企業の場合は、それほど遠隔の人と打ち合わせをする機会も少ないですし、必要性もなかったといえると思います。
しかしこんな環境下の中で、30分程度で会える距離だったとしても、会うことへのリスク懸念や、自粛要請に応える形で、必要性のなかった方も、もともとITツールに疎かった方も、利用せざるえない、という状態ができあがった2ヶ月だったと思います。
アフターコロナは、会うことへの価値が上がる
BtoBの環境は特にそうですが、これからしばらくは直接対面の価値が上がっていくと考えています。感染リスクが与える影響、という側面とそれに伴うビジネスのムードとして非対面で解決しようとする動きは加速するでしょう。
・移動時間が削減される
・移動費用が削減される
・コストが減ることでアポイントが取りやすくなる
・短時間での打ち合わせが開催しやすくなる
直接会うことのメリットは、個人的にはとっても偉大でWEBだけでビジネスが完結できるのだろうか?という懐疑的な考えも持っています。しかし、単純にリストのメリットは経営的観点からもメリットが大きく、例えば1時間の打ち合わせのために、往復2時間をかけて移動するというようなことが減ることで、単純にもうひとつ打ち合わせを増やすことができる、あるいは思考する時間を増やすことができる、というメリットを感じます。
また、1度会うためのコスト回収を考えると、どうせ行くならと打ち合わせの内容を増やして訪問することも多かったですが、WEB会議でつなぐことができるのであれば、15分や30分程度の軽い打ち合わせや確認作業もしやすくなるというメリットもありました。
直接対面が減ることで、WEBコミュニケーションが充実する
WEB会議のメリットを享受し、直接対面が減ることによって、WEBで画面共有をしたり、事前にPDFで資料を送ったりする機会が増えていくことは間違いありません。これまでは、直接対面で口頭で伝えてきたことなども、WEBコミュニケーションの中で、しっかり伝えていくためにツールや資料が充実していくでしょう。
WEBコミュニケーションツールが充実することで、直接対面が減る
WEBツールや資料が充実していくと、直接会わなくても伝えられる情報の量や質が上がっていきます。そうなってくると、情報を欲しいと要望を出す側(顧客側)からも一旦直接会う前に案内できませんか?というようなニーズが増えてくることになっていきます。
アフターコロナで、工務店は会うまでのプロセスをどう設計できるか?
自分自身が現在進行形で実体験しているBtoBよりでお話してきましたが、工務店・住宅会社のBtoCも大きく環境が変わっていくと考えられます。住宅購入者の多くは、普段はビジネスの中で生きていて、その方々の仕事環境が変わることによって、プライベートな生活様式も同様に変化してくることは間違いありません。
今よりも会ってくれなくなるかもしれない
実数値で取っても、年々来場者数や直接での商談数は減ってきている現状があります。今回のコロナは5月6月以降、特に冬に再来するかもしれないと言われていることもあり、しばらく影響を残していくと思われます。
そんな中で、家族みんなで見学にいく、説明を聞きにいくという行為は以前よりリスクが多くなっているということになりますので、行くのであれば行き先を吟味するということがより顕著になっていくのではないでしょうか。
ネタバレ度が重要
行き先を吟味するということは、事前にスマホやパソコンを使ってお家で、家族で、情報精査するという作業が購買プロセスのウェイトを上げていくことになります。その際に重要になってくるキーワードがネタバレ度です。
不動産系では広告制作時のあるあるですが「全部のせちゃったらそれで満足してしまう」から、情報をできるだけ隠したい。という意見がでることがあります。まずもって、これはこれからのマーケティング原則としてはアウトの考え方になってきます。
できるだけ、情報を開示しておかないと「ここはあんまりよくわからないから、わかるところにいく」と優先順位が下がることは間違いありません。極端な事例ですが、テーマパークなどはバラエティ番組などで詳しく紹介されるほうが、その後の来場者数が増えるというのは容易に想像できますよね。
テレビでみたからミッ●ーに会うのはもういいかな、なんて人はかなり稀な方ではないでしょうか。
住宅も同じことが言えると考えていますし、コロナ以前の実数値としても、情報開示をしっかりしている会社のほうが、より良い顧客に出会えており、契約率も非常に高い傾向にあります。情報を隠すのではなく、「こんな家、こんな会社だから、きっときてくれたら楽しいよ」ということを、ネタバレして、伝えられなければいけないのです。
テーマパークも、インスタ映えも全部ネタはわかっていたとしても、人はいいと思ったものはリアルに触れて、自分の実体験にしたいという性があるのです。それが現代のマーケティング原則として押さえておかなければならないポイントです。
アフターコロナで、工務店が「会う理由」をどのように提案するか?
ではどうやって会う理由、逆に言うとお客さんに「行きたい」と思わせる理由を提案するのか?3つのキーワードで自社にどんな提案ができるか考えてみてください。
体験したい
前項のテーマパークやインスタ映えと同じお話で、自分自身の目でみたい、触れたいなどの体験をしたいと思わせる、体験に対しての楽しさを提案する。ということです。モデルハウスや現場見学会に呼び込むということになりますが、その際にはネタバレがとっても重要です。細やかでリアルな情報、自分たちがどういう考えで建てたのか?この家に住むとどういいのか?現場にきたら何が見れるのか?しっかり提示してあげることが重要です。
交渉したい
価格や引き渡し時期はもちろん、家づくりの中身に関しても交渉したい、交渉できるということを提案してあげることも一つです。決して値交渉しにきて!ということではなく、オプションの組み合わせであったり、間取りの条件であったり、いわゆるお客さん側の考えを聞く気があるよ、ということを伝えられればベストではないでしょうか。
こんなことできるのかな?どれくらい予算に変化をつけられるのか?など自分たちの要望をくまなくきいてもらえる可能性があるのであれば、リスクやコストを支払ってでも直接会いたいと思えるのではないでしょうか。
提案してほしい
商品のことや会社のことはよくわかった。あとは自分たちにとってどういいのか?どうフィットしていけるのか?ということを提案してほしいという要望は必ずあります。思っている以上に、ネタバレできる情報だけでは住宅購入を結論づけるのは難しいはずです。
例えば30分のヒアリングで、総予算や支払い計画が出せる、間取りのサンプルが出せる、なども魅力的な提案だと感じてもらえますし、
アフターコロナで、マーケティングの何を変えるか?
いやいや結構すでにやってきたよ、という会社様も多いと思います。しかし、アフターコロナの影響だけではなく、テクノロジーはどんどん進化し、導入しやすくなっていて、コンテンツの質をもっと高められる、高めなきゃいけないということになります。
一言で言うと、コンテンツの強化
結論としてはここが1番の強化のしどころになります。商品や価格設定ももちろん大事ですが、マーケティングのプロセスの中で、非対面・準対面でのコミュニケーションが増えてくるとなると、コンテンツの質が重要になってきます。冒頭のBtoBの領域でも触れた通り、直接会わずしてどれだけの情報を提供できるかの質が問われる傾向が強くなっていきますので、ネタバレしようにもそのコンテンツの質が高くなっていかなければいけません。
VRモデルハウス
RICOHのTHETAを使えば簡単に実装可能です。モデルハウスは余すことなく見せてしまっても大丈夫です。しかし、VRに耐えうるコーディネートであったり工夫というのが必要になってくるかもしれません。
動画配信
スマホでも4K動画が取れてしまう時代です。モデルハウスをバーチャル案内するような動画や、建築現場の解説動画などで商品の良さをいかに伝えられるか?と同時に、そこで働く方々の人となりをきちんと伝えて、親近感をアップさせることがよりよい一手になるのではないでしょうか。
シミュレーター
プログラミングのハードルも随分下がりました。例えばですが、これまで作ってきた間取りをデータ化し、家族の希望に合わせて質問に答えるだけで間取り候補を提案してくれる、であったり総予算とオプションのシミュレーションツールなども、元情報さえ整理できれば意外と低コストで実装可能です。
自社の強みや面白さが伝わる手法を選択する
このように、いくつかWEBコンテンツとして強化を促進する方法があげられますが、それらを自社の強みと結びつける、そして面白がってもらうという企画の必要性が高まってくることは間違いありません。記憶に残る、WEBコミュニケーションが行えないと「会おうかなリスト」に加えてもらうことができないことになり、集客面で大きな苦戦を強いられてしまうはずです。
「準対面」を意識して、WEBコミュニケーションを図りたい
これは、かなり多くのビジネスに言えることだと思いますし、MD社自体も文章を書くだけでなくて、いろいろな場面を想定して、会ってもらえない、会うことが難しいという前提で発想をしていかねばと考える今日この頃です。
しかし、WEBというバーチャルな印象のあるものに、ちゃんと「ひとの気」を加えて、ZoomなどのWEB会議ツールの利用も含めて「準対面」でコンテンツが作れる方が、他社との差別化もしやすいと考えています。