合同会社マーケティングデパートメント

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GoogleAnalyticsの攻略【初級編】

WEBマーケティング
2020.4.7
このブログを書いた人

ナガタ セイメイ

自社のウェブサイトの効果があまりでないな・・・と思ったときにはまずその実態を見極めることが大切です。自社のウェブサイトの効果を数字で確認できる、ということがWEBマーケティングの真骨頂であり、ここを抑えていないと、ただの流行や広告会社のいうことを鵜呑みにして、効果のない広告費を投じてしまうリスクが高まることになります。そのための重要なツールがGoogleAnalytics。

効果的なWEBマーケティングの手を打つためには、数字で実態を理解し、ウィークポイントを探り、コンテンツなのか、広告なのか、システムなのか、最適な投資を図り、外部に依頼するにしても、狙いを明確にしたよりよい依頼ができることがベストです。

また、社内で予算を獲得しなければならないご担当者にとっても、「ほら社長、ここが弱いんで、お金ください」っという説得材料を数字で示せるということは、非常に強力な武器になるはずです。

GoogleAnalyticsのオーディエンス「概要」を攻略する

なにをお伝えしたいかというと、GoogleAnalyticsで自社のWEBサイトのアクセス解析をされている会社様は多いと思います。しかし「みてるけど、よくわからない」というお声はたくさん聞いてきました。あるいはWEB会社さんからレポートはあがってくるけど、数字のみの報告でそれをどう活かしたらいいのかわからないということも、よくあることのひとつです。

数字の上がった下がったは、折れ線グラフでも表示されますし、期間での比較くらいまでは割とわかりやすい(?)はずなのですが、実際にWEBサイトをマーケティングに活用していくためには、より詳細に数字から出た結果とその原因を読み取っていかなければいけません。

念の為、「概要」の見方をおさらい

アナリティクスのビュー画面。「オーディエンス」にある「概要」をご覧ください!

項目の意味、ではなく、数字の意味を解説します。

この記事でお伝えしたいのは、「ページ/セッション 意味」などで調べると、GoogleAnalyticsの画面に出てくる用語解説はいくらでも出てきます。しかし、それはあくまでその項目がどういうものなのか、という項目に対する意味であって、その項目の数字が示す意味、というのはわからないことが多いのではないでしょうか。

具体的には、例えばユーザー数が上がったらどうなの?下がったらどうなの?上げるためにはどういう視点でみたらいいの?ということを理解できたほうが、より数字から読み取った現象に対してアプローチできますよね、ということが言いたいのです。

そういった意味で、項目の解説はちょろっと入れつつ、上がった下がったの評価について、数字の示す意味を書いていきたいと思います。

概要から見れられる8項目の「数字の示す意味」

それでは早速みてみましょう!概要ページで見ることができる8つの項目、ユーザー、新規ユーザー、セッション、ユーザーあたりのセッション数、ページビュー数、ページ/セッション、平均セッション、直帰率について、マーケティング視点で見たときの意味、解釈について触れていきます。

ユーザー

項目の意味

これは、GoogleAnalyticsで指定した期間にどれだけの「人」がWEBサイトに訪れてくれたのか、という数字になります。

数字がもつ意味

この数字が上がった場合、単純ですが以前よりたくさんの人がWEBサイトに来てくれているということになります。ここ数年でユーザー数は増えにくくなったという体感があります。WEBマーケティングに力を入れる競合が増えた、広告の競合が増えたということもあるのか、同じやり方をしていても、同じだけのユーザー数を集められていないケースもあります。しかし、やはりこのユーザー数は自社に興味を持ってくれた人の数といって差し支えない項目になるので、ここはしっかりキープ、あるいは向上していきたい項目になります。

工務店・住宅会社にとっての重要度

重要度は★★★★☆。星4つといったところです。もちろん、たくさんの人が訪れてくれるようにしていかなければいけませんので、重要な項目の一つですね。ただ、星がひとつ少ない理由は、これを最重要にしてしまって、やみくもに露出や広告を増やすことに躍起になったとしても、費用対効果が上がらないというのが経験則から導き出した答えだからです。ここを頑張ることは後回しにしてでも、他の項目の改善をがんばったほうがいいですね、という機会が非常に多いので、星4つということにしました。

新規ユーザー

項目の意味

これは、GoogleAnalyticsで指定した期間にどれだけの人がWEBサイトに訪れてくれたのか、というユーザー数のうち、初めてこのWEBサイトに訪れた人の割合となります。

数字がもつ意味

この数字が上がった場合、単純ですが以前よりたくさんの「新たな人」がWEBサイトに来てくれているということになります。これは非常に喜ばしいことであり、自社の認知が広がった、と解釈できる数字になります。しかし、たくさん新しい人が来たらうれしい!ということはもちろんあるのですが、工務店・住宅会社は少額の消費材を売っているわけではないので、いわゆる刹那的なコンバージョンが低いケースが多く、新しい人がたくさん来てくれたから効果に直結しやすいか?というとそこは直結しにくいです。

特にエリアを絞って足元商圏を固めていきたいとなった場合は、この数字が反証する「リピーター」の割合にも注目したいところになります。新規ユーザーが示す割合の、残りの数字がリピーターの数です。ブログやイベント情報をチェックしにきてくれていたり、改めて商品の確認をしにきてくれていたりと、そういったユーザーのほうが、コンバージョンする打率が高いケースや契約率も上がる可能性が高い。いわゆる「ファン」の数を推察する項目でもあります。

工務店・住宅会社にとっての重要度

重要度は★★★☆☆。星3つといったところです。こちらは、WEBマーケティングの段階による、というところがあります。今はユーザー数に目標を持って見てもらえる人を増やそうというアクションをしている場合、どうしても新規ユーザーの割合が増えていってしまいます。多くの場合は、ユーザー数も増えていくはずなので、その場合はユーザー数で計測すればよし。逆にセッション数を上げていこうと思った場合に、リピーターを増やしてユーザー数が増えなくてもセッション数が増える、ということも狙えるので、その指標として重要項目にすることはアリ、だと考えます。

セッション

項目の意味

これは、GoogleAnalyticsで指定した期間にどれだけの「のべ回数」、WEBサイトが閲覧されているのか、という数字になります。1人のお客様が3月1日にWEBサイトを見て、3月7日にもう一度見てくれたとしたら「セッションは2」というカウントになります。

数字がもつ意味

この数字が上がった場合、単純ですが以前よりWEBサイトが閲覧された回数が増えた、たくさん訪問してもらえたということになります。これはユーザー数同様、自社のWEBサイトに世の中の人が、どれだけ興味を持ってくれているか、という大事な指標になります。そしてアクセス解析において、なにかと「率」を出すことがありますが、それら効果測定の高度な指標はこのセッションを母数として割り戻すことが多いです。例えば「フォーム遷移率」、つまりWEBサイトに訪れた際に、どれだけの方が問い合わせや来場のフォームに来てくれたか?というのは、フォームURLのページビュー数/セッション数で導き出して効果測定をしていきます。

工務店・住宅会社にとっての重要度

32重要度は★★★★★。星5つとしました。上記にも記載したとおり、様々な指標の母数になる数字であり、新規・リピーターの割合も大事にしながらも、まずはここをどう伸ばしていくか?という第一目標にしたい数字だと考えています。例えば、コンバージョン率2%設定で、月に10件資料請求を取ることが目標だ、ということになれば、10件割るコンバージョン率=必要なセッション数が5000という目標設定が可能になります。

ユーザーあたりのセッション数

項目の意味

これは、GoogleAnalyticsで指定した期間のユーザーが一人当たり何回WEBサイトに訪れてくれたのか?という数字になります。1人のお客様が3月1日にWEBサイトを見て、3月7日にもう一度見てくれたとしたら「ユーザーあたりセッションは2」というカウントになります。1度しか訪れていないユーザーが増えると、2人のユーザーが3セッション、ということになるので、ユーザーあたりセッションは1.5ということになります。

数字がもつ意味

この数字が上がった場合、ユーザーそれぞれのWEBサイトや商品に対する興味が高く、リピートしてくれているという意味になります。これが1に近ければ近いほど、1度訪れて飽きられてしまった、期待値が下がったというような見方をすることができます。

工務店・住宅会社にとっての重要度

重要度は★★★★☆。星4つです。工務店・住宅会社のWEBサイトにおいては、初セッションでのコンバージョンだけでなく、リピーターのコンバージョンも重要になってくるため、自社の更新情報に興味を抱いてくれているか?という指標として放っておいていい数字ではないと考えています。「また見たい」と思ってもらう、実際に来てもらうというのはWEBマーケティングにおいて、顧客ストックという観点では非常に大事にしたいポイントです。

ページビュー数

項目の意味

これは、GoogleAnalyticsで指定した期間に、ユーザー、セッション関係なく、のべでどれだけのページが閲覧されたのか、という数字になります。

数字がもつ意味

この数字が上がった場合、WEBサイト全体で総合的にたくさん見られている、ということになります。実際には流入経路、ランディングページなど中身が重要になってくる場合が多いですが、SEO集客や大規模な広告活動を行う際に指標となるケースが多いパートになります。

工務店・住宅会社にとっての重要度

重要度は★☆☆☆☆。星1つしました。もちろん、全然見なくていい!ということではないのですが、工務店・住宅会社のWEBサイトの場合、PV数よりも1人の人がどれだけWEBサイトを楽しんでくれているか?興味を持ってくれているか?という視点で見たい部分が多く、単純にこのページビューだけを目標にしてもあまり効果はあがらないと言っていいと考えます。アフィリエイトサイトや商品ごとに広告を展開するECサイトなどは、「まず1万PV」など設定することが多いですが、その場合はページ数が大量にあることが前提になり、工務店・住宅会社のサイトではあまり成果との親和性を生み出しにくいです。

ページ/セッション

項目の意味

これは、GoogleAnalyticsで指定した期間で、1回あたりのセッション(ユーザーではなく)で、何ページ見てもらえたか?という数字になります。

数字がもつ意味

この数字が上がった場合、WEBサイト内の回遊性が高い、興味関心度が高い、という傾向を計測できる数字になります。WEBサイト全体のページ数にもよるところですが、ここが多ければ多いほど、訪問した人はWEBサイトの情報に興味を抱き、たくさんの情報を取得しようとしてくれているということになります。

工務店・住宅会社にとっての重要度

重要度は★★★★★。星5つです。特にエリアを限定して事業を展開する工務店・住宅会社にとっては、自社のこと、サービス、商品に興味を持ってたくさん回遊してくれるというのは非常にいい傾向になります。店舗でイメージすると、いろいろな商品を見てくれたり、パンレフットを手にとってくれている、という状態と置き換えることができるのではないでしょうか。大きな広告予算をかける前に、あるいはかけられない企業も、ここは様々な工夫で伸ばしていける可能性を秘めており、自社のWEBサイトの質を高めるための大事な指標と考えてほしいと思います。

平均セッション時間

項目の意味

これは、GoogleAnalyticsで指定した期間で、1セッションあたりで何分何秒、WEBサイトに滞在してくれたかという数字なります。

数字がもつ意味

この数字が上がった場合、ページ/セッションに近いですが、自社のWEBサイトの内容の興味度を見て取ることができます。当然、長い時間WEBサイトにいる、ということは情報をたくさん取得してくれているということになり、これが短いということはさらっと見て終わってしまっている、ということになります。

工務店・住宅会社にとっての重要度

重要度は★★★★★。星5つです。競合他社と比較されている、という視点で見れば、自社の情報を読み込んでいる時間が短いということは、競合に打ち勝つための情報を提供できていないということになります。逆に、この数字が長くなれば、自社の情報に興味を持ち、しっかりと検討してもらえているという仮説を得ることができる数字なります。ページ/セッション同様、自社の努力で伸ばしやすいところでもあり、ぜひこの数字は大事にしていただきたいポイントです。

直帰率

項目の意味

これは、GoogleAnalyticsで指定した期間で、WEBサイトに訪問されたセッションのうち、1ページのみでページを閉じてしまったセッションの割合になります。

数字がもつ意味

この数字が上がった場合、WEBサイトに来てすぐ帰ってしまった人の割合が高い、逆に下がった場合は、WEBサイトに訪れた後、興味を持ってほかのページにいってくれたということになります。

工務店・住宅会社にとっての重要度

重要度は★★☆☆☆。星2つといったところです。実際にはそれなりに重要な項目ではあるのですが、例えば1枚完結でのランディングページでWEB広告を実施するとここは下がってしまったり、ブログページなどのSEOが強いとそのページのみで直帰するなどして、概要ページでぱっと見ただけではいい悪いを判断しきれないため、優先度を下げました。もちろん、ここは低いに越したことはありません。が、流入経路やWEBサイトの状態次第で見方が変わる、ということで理解していただきたい項目です。

まとめ

さて、いかがでしたでしょうか?数字が上がった!下がった!は結果のひとつであり、マーケティング思考でいうと、そこからどのようにユーザー、お客様の動きや心理を読み取るか?ということが大事ですので、ぜひ、数字の意味を人の感情とセットで捉えていただき、自社のWEB運用に活かしていただきたいと思います。

結構ばりばりに広告もランディングページもSEOもSNSもやってるよ!という工務店・住宅会社様でなければ、まずは星5つをつけた、ページ/セッション、平均セッション時間の改善、そしてセッション数をどう伸ばしていくか?ということから着手されてみてはいかがでしょうか?