合同会社マーケティングデパートメント

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スペックではなく、ストーリーを語る。住宅業界のこれからの訴求。

WEBマーケティング
2020.6.17
このブログを書いた人

ナガタ セイメイ

モノ売りではなく、コト売り、という言葉が発信されて久しいですが、WEBが主戦場になっている現在のビジネス環境において、そして消費マインドにおいて、なにをどのように訴求すれば集客ができるのか、購買意欲があがるのか、ということを考えていきたいと思います。

WEBだからこそ重要な、言葉のちから。

インターネットの元になったネットワークの多くは、大学や研究機関同士を回線をつかってつなぎ、論文や研究成果を共有するために開発されたものでした。当時は、電話回線を主に利用しているため、また時代でいうと1980年代とかですから、当然デジタルカメラなどもなく、主に「テキスト」のやりとりが主流でした。

さらに、その多くはデータベースとしての機能が主流で、蓄積された論文を見に行く、というような行為が多かったはずです。今でもインターネットの概念というのは基本的には変わらず、ウェブサイトなどはある意味企業の論文がサーバーに置かれていて、それを見に行っている、ということになります、

1990年代になって、電子メールなど個人間で即時やりとりできる技術が発展し、そこからはADSL回線からVDSL回線への進化と共に急速に技術発展を遂げることとなりました。

今でも大きく残る「論文ベース」の検索機能

そういった経緯があるなかで、論文を検索して情報を取り出しやすくするような流れができるのですが、今でもいわゆるSEO対策で気になる検索エンジンのWEBサイトへのクローリングは、論文の構成がベースになっていますね。

  • ページのタイトル=論文のタイトル
  • 見出しの構造=論文の目次
  • 見出しやタイトルと実際の文章の整合性=その論文の評価そのもの
  • 情報の信憑性=論文の基本
  • 被リンクの多さ=様々の論文の参考文献になる論文は評価が高い

このように、論文が評価されることと似たようなポイントでSEOの評価もされています。

「キーワード」がWEBの基本の基本

前置きは硬くなりましたが、こういった論文文化が基礎のひとつになっているWEB、インターネットですから、やはりテキスト、キーワード、言葉の持つ力を無視するのは難しいということが言えると思います。

SNSが発展しても、ハッシュタグでキーワードをもとに共有を行う、もちろんグーグル検索は顕在。画像検索機能などもどんどん発展してきますが、情報検索はキーワードが中心であるということはこれからも変わりません。

ただ、そのキーワードが、機能性やビッグワードなどの普遍的なものから、個人名、ブランド名、シチュエーションなどなど細かくそして多岐に渡りだしている流れがあります。これはSNSによって個人での情報が容易になって、様々な文化も考えも発信されやすくなったということが背景にあります。

言葉を装飾する、写真やイラストのちから。

WEBのこれからもキーワードが重要になってくる、ということは間違いなく断言できると考えていますが、ツールとしてSNSや様々なアプリが出現し、そしてネットワークが高速化し、そしてスマートフォンでいつでも写真が取れて見れるようになった時代の流れとして、写真のもつ力は非常に大きなものがあります。

Instagramが流行らせた「インスタ映え」など、かっこいい、かわいい、うける写真だけではありません。例えば、私が妻に頼まれて買い物に出た時、こっちとこっちどっち買えばいいんだ!ということが起こると、写真をとってLINEで送る、ということをします。

電話では説明ができない(伝えられるキーワードが思い浮かばない)ときに、写真で伝えるというのは非常に容易でスピード感があるということが言えます。

特に現在は、ADSLやその前とは比較にならないくらいで、インターネットを経由した画像送信のスピードが上がりました。どのアプリやプラットフォームでも、ほぼ瞬時に画像をやりとりできるから、手軽でわかりやすいコミュニケーション手段となりました。

画像だけで済むコミュニケーションもありますが、画像がきっかけでキーワードが生まれてそれがまた拡散していくということもあります。普段の仲良しコミュニケーションでは写真一発ということも楽しくて可能になりましたが、マーケティングにおいてはキーワードと画像をセットで展開できると鬼に金棒ということが言える環境です。

ネットワークの高速化によってパワーアップした、動画のちから。

ついに5G回線の個人向けサービスが動き出しました。2020年秋には5G対応のiPhoneが発売されるとか・・・どんどん回線が早くなっていきますが、5G回線だと映画一本が3秒でダウンロードできるとか。ほんまかよ!っていう感じですが、とにかくこれからはより大きなデータがやりとりできるようになったわけです。

今回のコロナによって、テレビ会議が増えた、やりはじめたという方も多くいらっしゃいますが、不安定な通信回線が安定すればするほど、世の中への浸透が広がり、深まっていきます。

またYoutubeやTikTok、インスタライブなどすでに動画を活用したコミュニケーションは活性化されている状況がより加速していくということは間違いありません。

通信速度や安定感、画質が課題だった動画のデメリットが5Gによって解消される、そしてコロナによってライブでの顔見せコミュニケーション」がキャズムを超えたことで、動画・ライブ配信への傾倒は強くなっていくでしょう。

ストーリを語る(コトを訴求する)とはどういうことか?

そうしたWEB環境の中で、写真・イラスト、そして動画などコミュニケーションの手段は広がっていきますが、広げる前の軸はやはりキーワードになってくるのです。それが今回の主題である、ストーリーを語るということに繋がってきます。

住宅にはスペックが存在します。耐震、断熱、省エネ、住宅設備、内装、外装、設計、保証、アフター、それらはすべて、仕様として表現することが可能です。

では、その仕様は、画像や動画で表現して価値あるものとして伝えることができるでしょうか?

構造躯体の写真、発泡断熱の写真、お風呂やキッチンのブツ撮り写真。

ただ漠然と撮影した完成した建物の動画。

これらで、他社との違い、この家じゃないといけないという理由をつくることはできるでしょうか。写真だ動画だと時代には乗らなければいけませんが、それをモノで表現してもそのコンテンツで表現しているキーワードはありきたりなものにしかならず、「耐震性」「キッチン」「リビング」と、どこでも言えるキーワードになってしまい、まったく訴求にはなりません。

ストーリーで語ると小さな市場ができる

キーワードが大事だからこそ、それが普遍的なものであればあるほど、他との差別化はなくなり、市場に埋没していってしまいます。また、そういったスペック見せというのは「顕在ニーズ」にしかアプローチできない。この構造、この仕様でほしいと思っている人には、それを提示すればマッチしますが、顧客が選び切ったところにハマっただけということになり。企業側が仕掛ける競争力というのはないに等しいといえます。つまり、お客さんを広げていくということができないということになります。

しかしスペックにストーリーが加わることで、他社とは「ずらす」ことができるようになり、新たなお客様を広げるための訴求に生まれ変わっていきます。結果的に同じような仕様だったとしても、市場から「見るポイント」を変えることができる。

そうなると、そのストーリーに共感する一部の価値観をもったお客様が増えていく=小さな市場を作ることができるということになります。

ストーリーで語る=なぜそうなのか?を考える

ではストーリーで語るとは具体的にどういうことなのかというと、「なぜそうなのか?」「なんでその仕様なのか?」ということを考える、そして伝えるということになります。

住宅を売る、建てるために様々な仕様を選び、商品として完成させる中で、住宅会社もまた「選んで」いるわけなのですが、そこにある理由、背景が大事だということになります。

なぜ、耐震等級3にするのか?なぜグラスウールなのか?なぜそのメーカーのキッチンなのか?

なぜなぜを問うことで、必ずそこにストーリーが生まれてくるはずです。例えばFCに加盟しているとしても、やまほどあるFCの中からそこを選んだ理由というのは必ずあるはずです。それらを言語化していくことで、撮る写真、撮る動画の内容も変わってくるはずです。

もちろんブログやSNSでの文章やハッシュタグの作り方にも大きな影響が出てくるのではないでしょうか。

ストーリーを語ると違いが生まれる*例えば

ストーリーを語るとはどういうことなのか?概念だけではわかりづらいので、いくつか例えばこういうストーリー、というものを置いておきたいと思います。

自然素材住宅のストーリー*例えば

無垢材・・・しっくい・・・自然素材をつかった家づくりを推奨する会社様は多いと思います。というか実際に担当させていただいているお仕事がたくさんあります。

その背景や付随するものはなにか?考えてみてください。

ある会社様は・・・もともとは普通の建売を売るサラリーマンをしていたが、結婚して生まれた子供がアレルギーだった。自分が家を建てようと思った時に、自然素材の家づくりに出会って、そのとき独立した工務店で、同じようにアレルギーで悩む家族のための家づくりをしたいと思った。

また別のケースでは・・・これからの住宅は高性能。高断熱高気密になっていく。でもそうすると出てくるのがシックハウスの問題。だから私たちは自然素材をつかうことで、高性能化のリスクを軽減して、本当にいい家を突き詰めたい。

と、同じように自然素材を扱っていても、その背景が違うとその後の訴求も変わってきます。前者の会社には同じように悩みを持つ家族が集まるでしょうし、後者の会社には同じように高性能で安全な家を求める家族が集まってくるでしょう。

ローコスト住宅の場合*例えば

ストーリーというのはわかりやすい付加価値型住宅だけのものではありません。ビジネスとしてローコストを極めるのもひとつのストーリーがあるはずです。

ある会社様は・・・今の家はそれなりに実際は性能がそんなに低くない。ハウスメーカーなどは単価を上げるためにいろんなことをしているけど、家はほどほどに、それより子どもの学費とか、家族の旅行とか、賢く人生を謳歌するほうが楽しいはず。だからうちはコストパフォーマンス重視で、むやみに家にお金をかける商品にしない。

また別のケースでは・・・これまでの経験でいくつかの家族がローン破綻をしたことをみてきた。せっかくのマイホームで高額なローンを組んで、不幸になるなどもってのほか。きっちりとした住まいを、無駄な経費をかけずに、シンプルにつくってあげることがマイホームを買いたい家族のためになる。

同じようなローコストの考え方でも、前者と後者では共感の仕方が変わってきます。そういったことがウェブサイトや動画などで発信されていくだけで、将来顧客となる消費者は自分たちの価値観を改めて見直す機会になり、その見直された価値観が小さな市場となっていくはずです。

大量集客じゃないから・・・ストーリーで市場をつくる

マイホーム全盛期でもない、少子高齢化で市場は縮小する。情報は多岐に渡り、消費者側もたくさんの情報を手に入れられる。コロナによって、そしてもともとあったエンターテイメント施設の台頭によって、家族時間がどんどん分散していく、そんな時代に大量集客はかなり難しい。

だから、手元でのコミュニケーションを強化して、小さな市場をつくり「顧客づくり」をしていく。そのためにはこのストーリーによって、訴求力が重要だと考えていく必要があります。